新しい牽引装置は、前の機械より身体がずれにくく、楽な姿勢のまま治療を受けられるようになりました。骨盤と脚を面で支えるつくりなので、お尻や脚がずるずる滑りにくく、「いったん横になったら、そのまま力を抜いておまかせできる」感じに近づいています。肘置きも腕が自然な位置で落ち着く形になっているので、全身の緊張を抜きやすいのも特徴です。
首まわりは、ベルトの長さや位置を細かく調整できるようになったことで、顔の目前にベルトがかかる息苦しさや圧迫感がかなり軽くなりました。頭を支えるマットの形状も見直され、身長にかかわらず頭と首を自然な角度で預けやすく、首だけが反り返ったり、あごが詰まるような姿勢になりにくくなっています。
医学的には、牽引療法は「首や腰を一定の方向にやさしく引き、椎間板や関節、靱帯などにかかる負担を一時的に軽くすることで、神経の周囲のストレスや筋肉の緊張を和らげること」を目的とした治療です。無理のない姿勢でリラックスして受けられるほど、この「負担をやわらげる効果」も期待しやすくなります。新しい装置では、背中と腰のマットにヒーターが入り、冷たい台に寝かされる感じもぐっと減りました。
「ぽかぽかしたベッドに横になっているあいだに、首や腰の負担をそっと減らしてもらう」ような治療ですので、どんな感覚か一度試してみたい…というだけでもかまいません。気になった方は、どうぞ遠慮なくスタッフに声をかけてください。
