接骨院等の併用について

当院は整形外科として、診察、検査、診断に基づき、治療方針の決定、薬の処方、リハビリの指示などを行います。接骨院(整骨院)や鍼灸、あん摩マッサージ指圧の施術を併用したいというご希望もあるため、保険のルールと当院の考え方、対応方針をまとめました。これらの施術所に通院されるかどうかは患者様ご本人の選択であり、当院はその意思を尊重します。なお、健康保険で療養費の対象となるかどうかは所定の要件を満たす必要があり、最終的な判断は保険者が行います。

各施術所の位置づけ

接骨院・整骨院など(柔道整復師)

健康保険(療養費)の対象になり得るのは、原則として「急性又は亜急性の外傷性」の骨折、脱臼、打撲、捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)など、外傷性が明らかなものに限られます。骨折、脱臼は応急手当を除き、原則として医師の同意が必要です。肩こり、筋肉疲労、慢性疾患由来の痛みなどは対象外です。

鍼灸院など(はり師、きゅう師)

鍼灸の療養費は、医師の診察のうえ、慢性的な疼痛を主訴とする疾病について医療機関で適当な治療手段がないと判断された場合に、医師の同意書の交付を受けることで支給対象となります。同意書に基づく支給可能期間は原則6か月で、継続には再度の同意が必要です。医師が同意した場合も、施術結果に責任を負うものではないものとされています。

マッサージ治療院など(あん摩マッサージ指圧師)

あん摩マッサージ指圧の療養費は、医師の診察のうえ、筋麻痺、筋萎縮、関節拘縮など、医療上マッサージ(または変形徒手矯正術)が必要と判断された場合に、医師の同意書の交付を受けることで支給対象となります。変形徒手矯正術は、関節拘縮などで関節の動きが制限されている場合に、手技によって関節可動域の改善を図る施術です。同意書に基づく支給可能期間は原則6か月ですが、変形徒手矯正術は1か月とされています。

併用時の費用の扱い(健康保険と自賠責)

健康保険(療養費)の場合:保険者が支給可否を判断

施術所の費用が療養費として支給されるかどうかは、傷病の性質(外傷性か、慢性か、症状の内容など)、同意書の要否、施術内容、必要性などを踏まえて保険者が判断します。患者さんが併用を希望されても、療養費として必ず支給されるとは限りません。

自賠責(任意一括を含む)の場合:支払側が支払い可否を判断

自賠責では、免許を有する柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用について、必要かつ妥当な実費とされる支払基準があります。ただし実際の支払いは、事故との関連、必要性、頻度、経過などを踏まえて支払側(保険会社等)が判断します。当院は支払い可否を決定する立場にはありません。

当院の基本方針

当院は、接骨院(整骨院)や鍼灸、あん摩マッサージ指圧への通院自体を一律に禁止する立場ではありません。患者さんご本人の希望により併用されることはあり得ます。

一方で当院は、院外の施術所で行われる施術内容、頻度、経過、通院状況を継続的に把握、管理することはできません。そのため、双方を併用される場合、当院として継続的かつ一貫した医学的評価と管理を行うことが難しくなり、医学的管理の範囲が不明確となるおそれがあります。併用状況によっては、当院での診療内容が限定される場合があることをご理解ください。

当院が作成する診断書、意見書、診療情報提供書等は、当院で確認できた医学的事実と医学的判断に基づいて作成します。

後遺障害診断書を含む各種診断書は、継続的な診察と経過の把握、客観的所見の確認に基づいて作成するものです。当院で継続的に経過を確認できていない場合や、受診が断続的で医学的根拠に基づく判断が困難な場合には、作成をお引き受けできないこと、または記載できる範囲が限られることがあります。

同意書の交付と、署名、押印できない書式について

当院が署名、押印できないのは、保険会社等が独自に作成した書式や、「当院の管理下」「保証」「支払い可否の判断」など、院外施術を当院が管理、保証する趣旨を含む書式です。

一方で、健康保険の療養費に関する厚労省所定様式の同意書(はりきゅう、あん摩マッサージ指圧)については、医師が診察のうえ、制度上の要件を満たし医学的に必要と判断した場合に限り、交付します。なお、同意書の交付は、院外施術の内容や結果を当院が管理、保証することを意味しません。

また、訪問によるあん摩マッサージ指圧(いわゆる訪問マッサージ)は、通院が困難な方を対象とする制度であり、適用条件を厳格に確認する必要があります。そのため、独歩で当院に通院できている方については、訪問マッサージの同意書は交付できません。通院が困難な事情がある場合は、診察時に状況を確認のうえ判断します。

同意書は診察に基づく文書交付が前提となるため、電話のみ、または書類の持ち込みのみでの即日交付には対応できない場合があります。

併用される場合のお願い(安全面、医療面)

当院の診療内容と矛盾や危険が生じないよう、可能な範囲で、施術所で受けている施術(部位、頻度、内容)をお知らせください。

痛みの悪化、しびれの増悪、腫れ、強い違和感などが出た場合は、施術を継続せず当院へご相談ください。

画像検査や診断結果により、運動や施術の可否、注意点が変わります。医学的に危険がある場合は、中止や制限をお願いすることがあります。

保険会社等から追加の照会が必要な場合

当院から追加の医学的所見が必要な場合は、支払側(保険会社等)の担当窓口から当院宛に、依頼内容を明確にした文書でお送りください。内容を確認のうえ、可能な範囲で、医学的事実に基づき対応します。

ご不安が残る場合

当院の方針によりご不安が残る場合や、他院での相談をご希望の場合は、他院宛ての診療情報提供書(紹介状)を作成しますので、受付または診察時にお申し付けください。