後頭部や頚部にコブを触れることはありませんか?
今回は正常なコブの代表である外後頭隆起とバルソニーについてお話します。
外後頭隆起は後頭骨の左右中央にできる隆起です。
項靱帯という線維性の膜が付着します。通常5mm程度で、10mmを超えると大きいとされます。
男性の6割、女性の2割にあるという報告があります。
ドアノブ状や角状に突出することがありますが、骨腫瘍ではなく正常な隆起です。スマホ首に関連しているという報告もありますが結論はでていません。
一方、第4-6頚椎の後ろで項靭帯の中に生じる石灰化は項靱帯石灰化症(Barsony disease)と呼ばれます。1924年にハンガリーの放射線科医であるTivadar Bársonyが報告しました。
男女比は2:1とされています。痛みとの関連はありません。
外後頭隆起とバルソニー、どちらも正常範囲内で病的なものではありません。
後頭部にでっぱりを感じたり、レントゲンで見つけたりしてもビックリしないでくださいね。
もちろん違う病気のこともありますので、お気軽に整形外科にご相談ください。
参考文献: J Anat. 2016 Aug;229(2):286-91