コラム

ぎっくり腰

、ぎっくり腰を経験してないことだけが自慢です。
今回は、誰が言ったか知らないが、言われてみれば分かる気もする言葉、ぎっくり腰についてお話します。
「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛みを指す通称です。起き上がるとき、顔を洗うとき、物を持ち上げようとしたとき、ふと腰をひねったときなどに突然おこります。ドイツでは「魔女の一撃」と言われるくらい世界中で見られる病気です。
腰痛は日本国民の症状として堂々の第1位で、生涯経験されずに過ごされる方はまれなくらいの国民病です(厚生労働省の国民生活基礎調査2022)。

痛みの原因となる部位は主に4つあり、① 筋肉、② 椎間板、③ 椎間関節、④ 仙腸関節です。

実はこれら4つのタイプの基本的な治療は同じです。
ただし、下肢に痛みやしびれがあったり、力が入らないなどの症状があったりするときには腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの病気の可能性もあります。また、脊椎圧迫骨折や化膿性椎間板炎などの重い病気が潜んでいることもまれにあります。時間経過をみないと分からないこともありますので、数日~1週間たっても症状が変わらなかったり悪化する場合は整形外科に受診することをお勧めします。
また、更にまれに内臓疾患や悪性腫瘍など重篤な疾患であることもあり、それを疑うサインをred flag sign(赤旗兆候)といいます。
① 発症年齢<20歳、 または>55歳
② 時間や活動性に関係のない腰痛
③ 胸部痛
④ 癌、 ステロイド治療、 HIV感染の既往
⑤ 栄養不良
⑥ 体重減少
⑦ 広範囲に及ぶ神経症状
⑧ 構築性脊柱変形
⑨ 発熱
これは難しいので覚えなくて大丈夫です。そのために私たちがいますから!

このような病気でなく、いわゆる「ぎっくり腰」でしたら、1~2週間で痛みは軽減してきます。
治療にも予防にも、まずは姿勢、次にこまめな体勢変化です。コルセットは痛みが強い間、短期間使うと良いでしょう。また、内服、湿布、注射、リハビリなど、少しでも症状を緩和して自然に動きやすくしてあげることが早い回復につがなります。

ぎっくり腰は本質的に治療や予防ができる病気です。一緒に治していきましょう!