コラム

びまん性特発性骨増殖症(DISH)

びまん性特発性骨増殖症(Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis: DISH)とは、脊椎を中心として腱や靱帯の付着部に炎症を伴わずに骨化をおこす病気です。1975年にResnickらによって命名されました。

https://www.kansetsu-itai.com/doctor/doc385.php

正確な原因は未だに不明ですが肥満や糖尿病、高血圧、脂質異常症などの代謝性疾患との関連性があると言われています。
日本人では50歳以上の16%(男性25%、女性7%)にみられ、特に70歳以上の男性では40%にみられると報告されています。

好発部位は中下位胸椎で、特に大動脈の影響で右側によく生じることが知られています。約10%では頚椎や腰椎にも病変が広がります。
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2017/172051/201711091A_upload/201711091A0014.pdf

頚椎に生じると、まれに食事が飲み込みにくくなる嚥下障害を生じることがあります。また、胸椎の病変が進行すると肺機能が低下することがあり、腰椎に生じると腰部脊柱管狭窄症が起こりやすくなります。

脊椎椎体骨折を起こすと、不安定性を生じる危険性が高いため保存療法では治りにくく、手術を要する場合があります。